2020年5月末 新型コロナの状況
感染者数は減ってきました。
緊急事態宣言が徐々に解除
新型コロナの感染者数がかなり減ってきました。昨日の感染者数は東京都では4人です。もともと1日160人以上の日なんてあったのが5月頭ですから、自粛の効果がかなり出てきたと思われます。
東京や周辺の県ではまだですが、日本全国で見ると緊急事態宣言も解除されてきた地域もかなり出てきました。
しかし何も解決していない
ただ、自粛をした結果、感染者数が減ったに過ぎません。コロナウィルスが根絶されたわけでも、人間に耐性がついたわけでもないです。
なので、自粛を完全に解いてしまって元の生活に戻してしまえば一瞬でまた元の感染者数に戻ると思われます。
僕の知人の科学ライターは「地球人は全員感染する」「ワクチンができなければ一生コロナの問題は継続する」と言っていました。免疫がないというのはそういうことだと(日本人には免疫がもともとあるという説なんてのはいったんここでは考えないことにします、ほんとにそうならいいのですが)。
つまり、感染者数が減ったからといって何も解決はしていないのだと思います。感染者数が減っていることはとてもいいことで意味がないといっているわけではないですが、この点は理解しておかないといけないなぁと。
つまり緊急事態制限が仮に全国で解除されたとしても、何もコロナが解決シていない以上は自粛ムードは続いていくことは間違いないです。
新型コロナとネット広告
影響がないと言われますがそんなことありません。
ネットの広告に大きな影響
この自粛ムードの中、僕はよく「インターネット業でよかったね」といわれることがあります。
が、そういうわけでもありません。大打撃を受けています。クライアントが元気なくなっているとか、クライアントから急遽お願いされているシステム(テレワーク対応など)で本業ができないとか、それ以外にも原因はあるのですが、特に「広告単価が落ちている」というのがあると思います。
入札で決まっている広告単価は当然落ちる
インターネット上の広告ってのは多くの場合は入札制です。すなわち、多くの広告主が同じ広告枠に対して広告単価を入札し、より高い金額で入札したところの広告が優先的に表示されるというのが原則です。
で、当然今は広告を打とうと考える企業は多くありません。お金が劇的に減っていて広告を打っている場合ではなかったり、広告を打ったところでお店を開けないんだから意味がなかったりなので、広告出稿企業が激減しています。
あと、仮に広告を出すにしても入札単価を落としているところがほとんどでしょう。
結果、入札制で広告単価が決定されるインターネット広告の単価はコロナ騒動で今かなり落ちてしまっています。
ネット広告収益で生きていた事業者には衝撃
もともとアドセンスとかSSPとかそういったインターネットの広告収益を事業の柱としていたところは一気に収益が半分くらいまで落ちました。
また、DSPとかリスティングとかもだいたい広告出稿料の20%とかそういう課金をするのでやはり収益がおちているはずです。
こういったネット広告収益を柱としている企業は人を1人も雇っていなかったりオフィスが自宅だったりする方も多いのでその点はまだ一般企業よりはるかに有利なのです。しかし、それでも影響がないよねってことはないのです。
コロナ環境下で広告をどうするか
単価が戻るのを待つのか・・・?それ以外できないのか?
広告単価は戻るかもしれないが、戻らない気もする
前述したようにコロナの感染者が減ってきたとはいえ、根絶されたわけでも、人間に耐性がついたわけでもありません。すぐに感染者数はあっさりと元通りに戻る可能性は常にあります。
また、コロナによる経済停滞により企業の体力はかなり弱まっています。仮にコロナが終息したとしても、広告を以前の単価で打つことはもはやできない可能性もあります。
そのため、広告単価が戻るのはいつだ〜!なんて期待して待っているだけでは足りないと思います。戻らないかもしれないので。低いまま。
広告収益を狙うのではなく広告を出稿すべき
でも、もう気づいている方もおられるかもですが、広告収益が落ちたということは、広告出稿側の視点でいえば広告を低い単価で打てるということです。
なので広告を掲載して広告収益を得るのではなく、広告を出稿して利益をあげる側にまわるのがいいでしょう。これ以外ないと思います。
コロナ終息前に広告を打つのはありなのか?
ただ、広告を出稿する側にまわろうというと、「他の企業がみな広告を控えているのは効果がでないからだ!」「そんなときに広告を打っても意味がない!」という方もいるかもしれません。
確かにそうですね。今、広告を普通にガンガン打ってもあなたの事業が飲食店であればあまり意味がないと思います。どんなに集客してもお店が開いていないのなら売上げに繋がりません。
こう考えると、コロナ終息前に広告を打っても意味がないようにも思えます。
オイルショックと広告
この議論はオイルショックのときにもあったそうです。石油危機によりあらゆる企業が傾いたとき、それでも広告を打ち続けたところがその後飛躍的に伸びた!なんて逸話もあります。
こういったお話を引用して、今この新型コロナがおさまるまえであってもとにかく広告を打つべきだとか、変化についていけない企業は経営者が良くないという方もいます。
が、そういうことを言っちゃう人は固定費があまりかからない事業をやっている方が多いです。ただの評論家だったり。
広告を打たない事業者は広告を打って企業を後々伸ばすということより従業員の現在の給料だけで現実的に手一杯なだけかもしれません。また、オイルショック時に広告を打った企業がその後伸びたなんて話をしらないわけではなく、知っている上で状況の違いや自社の事業性質から広告を控えているのかもしれません。
いずれにしても、とにかく攻める企業のほうがいいみたいな議論は乱暴かなと思います。
しかし、やはり広告を打つべきだと思う。
しかし、ちょっとでも余裕がある企業は今なんとか広告を打つべきだと思います。
てのはやはり広告単価が低い時期はチャンスだからです。
もちろん、単に広告を打っては損をするだけです。特に、今すぐに売上げに直結することを狙った広告を打つことは危険でしょう。今は皆お金を使いにくくなっていますので成約率はかなり落ちるでしょう。客単価も然り。
しかし、僕が思うに以下の目的での広告出稿ならアリです。
それは見込み客を獲得して、かつ、エンゲージを高めるための広告。つまり有料の商品を販売するために広告を打つのではなく、無料登録に対しての広告です。
その後、無料登録してくれた方に対して継続的に情報を配信し、関係値を深めましょう。
そうしておけば、おそらく年内になんらかのワクチンが出始めるとおもうので、年末あたりにそのリストに対して大々的に何か売ればいいんじゃないかなと思います。
ジャニーズが総勢で歌を出しましたよね。あれもある意味ではコストをかけてエンゲージを高める行為です。近しいものだといえるでしょう。
逆に、無料登録からエンゲージを高めていって、最終的にものを販売するやり方ができない業態の方は広告を打っている場合ではないですね。他のことにお金をつかったほうがいいでしょう。
がんばってください。
※この手法が使える業態であるのか判断が難しい方はご相談ください。